僕なりのEDHデッキの構築方法その2
2015年11月26日 EDH コメント (1)前回の記事(http://redrum.diarynote.jp/201510171120185111/)からはだいぶ時間が経ったが、構築方法の続きを書こうと思う。
その1では色やジェネラルの選定、勝ち筋の種類について書かせてもらった。
今回はその続きからということで、勝ち筋を決めたところから説明していこう。
ジェネラルと勝つためのパーツが決まったなら次はその実現のための過程を考えよう。
具体的にはサーチやドローの枚数、質だ。
EDHには多数のドロー・サーチがある。
ドロー枚数やサーチするカードのカード・タイプもそれぞれに違いがある。
色によってサーチできるカード・タイプは概ね決まっている。
具体的に挙げていくと
白ならアーティファクト(特に装備品)とエンチャント。
青ならソーサリー、インスタント、アーティファクト。
黒は……特殊ですべてを探すことができる。
赤にはサーチが少なく、もっとも使われる《ギャンブル/Gamble》を考えると全てとも言える。
緑はクリーチャー、土地。
サーチカードの数・種類に関しては個人的な感覚ではあるが、
黒>緑>青>白>赤 の順であると思っている。
緑は《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》や《自然の秩序/Natural Order》のような
直接場に出るような強いサーチ含め、生物をサーチするカードが多く存在し、
また《輪作/Crop Rotation》や《森の占術/Sylvan Scrying》で強力な土地もサーチできる。
次いで黒は重いデモチュー亜種が存在するため種類としては多く、また軽いチューターも強力、
青はアーティファクトサーチが多くある、
白は装備品に関してはサーチするカードが多い。
赤にはすでに書いた通りギャンブル程度しかなく、使い勝手が悪いだろう。
またドローについては、
青>>緑>>黒>赤>>>>>白 くらいの印象だ。
青は純粋にドローが多く、緑は《集団潜在意識/Collective Unconscious》系の
生物の枚数を参照するカードが多い。
黒はライフペイで相応の枚数を引き、赤は最近多い追放しての擬似ドロー。
白はキャントリップ以外にはないほどにドローに恵まれていない。
また無色でも《頭蓋骨絞め/Skullclamp》や《系図の石版/Slate of Ancestry》のようにドローはある。
これらの特徴を踏まえて、自分の選んだ勝ち筋を辿るために必要な物を考えていく。
ひとつ言えることは、ドローもサーチもやはり軽いほうがいい。当然のことだ。
そして、全員7枚になるように引いたり、サーチしてもデッキの上に置くだけだったりすることも
多々あるだろう。場合にもよるが、基本的にそういった多少のアドバンテージの差は
それほど気にしないでいいことが大半だ。
撃つタイミングや戦況に気をつけることのほうが重要だろう。
また、以前あまり触れなかった役割ごとのカード枚数配分だが、
勝ち筋に関わるカードを7枚程度にし、それを探すためのサーチを採用するのが望ましいと思っている。
後述するマナソースに50~60、妨害が10~15、勝ち筋に7前後、サーチとドローで15、残りを自由に割り振ったり、ユーティリティカードで埋めるようにしている。
僕がデッキを組むときはだいたいこのくらいの配分だ。
サーチなどが決まったら次に妨害の枚数を考える。
妨害の枚数を考えるにあたって、おおまかなキルターンを設定するといい。
キルターンが早ければ、コンボなどを通すための役割もあるカウンターなどがメインになり、
キルターンが遅ければ、勝つまでの時間稼ぎだったり妨害への妨害などがデッキに入りうる。
また、妨害にも当然様々な種類がある。
アーティファクトなどを割るもの、クリーチャーを破壊するものといった盤面に影響をおよぼすもの。
墓掘りの檻や締め付けのように広範囲に相手の行動を縛るもの。
お馴染みのカウンター。
同じ妨害というくくりでもいくつもあり、それらからデッキに必要なものを選定する。
また、当然ではあるがEDHでは3人の対戦相手がいる。
よって、盤面を触るだけでもなるべく大きく影響をあたえるカードを入れることをオススメする。
具体例を挙げるならば
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
《無のロッド/Null Rod》
《石のような静寂/Stony Silence》
《終末/Terminus》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《毒の濁流/Toxic Deluge》
《死の雲/Death Cloud》
《紅蓮地獄/Pyroclasm》
《血染めの月/Blood Moon》
《汚損破/Vandalblast》
《燎原の火/Wildfire》
《壊滅/Devastation》
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
《進歩の災い/Bane of Progress》
こういった全体へ影響をおよぼすカードは優秀であるといえよう。
当然、自分への影響もあるため、自分に無害ないし被害の少ないものを選ぶことになるだろう。
緑のマナクリーチャー、ランパンデッキへの濁流や壊滅だったり、
青茶系のマナファクトデッキへのロッド、無垢などで相手のマナベースを止めることはとても多い。
結局EDHもマジックである以上、行動にマナは必要なため当然のことだ。
そして最後に、これまでのカード選択を見ながらマナベースを構成する。
この場合のマナベースとは土地のことだけではなくマナソース全体を指している。
例えばマナクリ、例えばマナファクト。もしくはランパンなどのサーチもマナソース扱いだ。
デッキ全体の重さ、要求するマナシンボルなどから必要な物を選択していく。
ここでも具体例を挙げながらマナソースを紹介していこう。
まず、土地。ほとんどのデッキで必要不可欠なものだ。
基本的にはアンタップインで複数の必要なマナを出せるランドを中心に組んでいく。
残念ながら単色デッキの色マナ部分に関してはあまり言うことがない。
どうしても基本土地が多くなってしまうからだ。
多色だとデッキの色に合ったデュアルランドやギルドランドは概ね入れ得だ。
そして、それをサーチするフェッチランドも入れたほうがいいだろう。
ただ、フェッチは常に最大枚数入るわけではない、ということも留意しておくといいだろう。
ほぼデメリットなく色マナを出せるダメージランドも入れたほうがいいだろう。
友好色に限られるが、無色マナを色マナに変換可能なオデッセイのフィルターランドも優秀だ。
フィルターといえばシャドウムーアなどのハイブリッドランドがある。
こちらは単体でも無色マナが出るが、色マナが増えるわけでもないためそれほど強くはない。
しかし、選択肢の多くない対抗2色ジェネラルなら入れざるを得ないこともある。
土地をあまり多く置かない茶系デッキならミラディンの傷跡のSOMランドを検討してもいい。
普通の色マナ確保としては基本的に上の各種土地を入れていくことになる。
また、2色以上のデッキを組む上で是非覚えておいてもらいたいものがある。
それは5色ランドのことだ。マジックにはたくさんの5色土地があり、その中でも優秀なものが
《統率の塔/Command Tower》
《真鍮の都/City of Brass》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《色あせた城塞/Tarnished Citadel》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
この6種類だ。多色デッキを組むときはいいお供になってくれるだろう。
上3つ以外は多少癖があるが、デメリット以上に色マナが出るアンタップインランドということが
重要になることが多いのがEDHというゲームだ。
そして、色マナ確保以外の土地にも様々なものがある。
大抵のデッキに入れても邪魔にならない《古えの墳墓/Ancient Tomb》と
《裏切り者の都/City of Traitors》といった2マナランド。
緑の特権たる《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》。
シンボルの濃いデッキにおいてクレイドルと同等やそれ以上に活躍する《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》。
茶系の特権Mishra’s Workshop。
アーティファクトの再利用を可能にする《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》、《埋没した廃墟/Buried Ruin》。
速攻を欲しい時に便利な《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord(CHK)》。
墓地が溜まるクリーチャーデッキでの《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem(ZEN)》。
このあたりはデッキの特徴によっても採用が変わるだろう。
これらを組み合わせ、24~29枚程度の土地を構成する。
次に土地以外、すなわちマナ加速を担うカードたちだ。
マナ加速には大きく分けて、マナクリ(ランパン)、茶系、一時的加速の3種がある。
まずは緑の専売特許、マナクリとランパンについてだ。
1マナから始まるマナクリーチャーは恒久的なマナ加速としては序盤からばら撒けるのが強みだ。
また、マナクリーチャーを並べることは即ちクレイドルのマナ量増加にも繋がる。
しかし、濁流や終末で一掃される弱点も持っている。
採用に足るレベルなのは、1マナのマナクリーチャーの全般。
2マナからは既に基準が厳しくなりクレイドルを起こせる《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》、
フェッチと合わせてジャンプアップ可能な《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》、
相手のエルフをもカウントする《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》程度になる。
デリーヴィーなどの3色ジェネラルなら《花を手入れする者/Bloom Tender》も優秀な加速だ。
3マナともなるとジェネラルが重いデッキでの《ソンバーワルドの賢者/Somberwald Sage》や
《失われた業の巫師/Shaman of Forgotten Ways》くらいだろう。
次に土地でのマナ加速、いわゆるランパンだ。
ランパン系は壊滅くらいでしか消し飛ばず、濁流などに巻き込まれずロッドで止まらないのがいいところだ。
しかし、数あるランパン亜種の中で採用できるカードは限られており、メインの加速にするには
少々心細く、概ねマナクリと複合して使用することになるだろう。
では、デッキに入れられるレベルの加速とは?
それはアンタップインで加速をする《自然の知識/Nature’s Lore》、《三顧の礼/Three Visits》、
《ウッド・エルフ/Wood Elves》、《スカイシュラウドの要求/Skyshroud Claim》あたりだ。
少し変わったところでは《スカイシュラウドのレインジャー/Skyshroud Ranger》や
《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》も候補にしていいだろう。
上に挙げたカードたちは探すのが森なのでデュアランなども探せる。
しかし《不屈の自然/Rampant Growth》などではタップインな上に、基本土地しか探すことが出来ない。
基本土地というものはそれほど多くの枚数をデッキに入れられるものでもないため、
優先順位としては《自然の知識/Nature’s Lore》などが上になっている。
また、輪作などで持ってくるニクソスとクレイドル、《さびれた寺院/Deserted Temple》も
ある意味ではマナ加速としてカウントしてもいいかもしれない。
次に茶系の加速だ。つまり、アーティファクトを並べることだ。
この加速は召喚酔いに影響されないため次々に並べていけるところが強い。
また土地やクリーチャーを破壊するスペルに影響されることなく、共存可能だ。
しかし逆にアーティファクトを破壊、無力化する方法は多いのが弱点だ。
また、無色マナばかり出て色マナが足りない事故も起こし得る。
ではマナ域順に見ていこう。列挙されているカードは基本的に
上であるほど、左であるほど優先順位が高いと思ってもらって構わない。
まず、ほとんどのデッキに入れる(入れない理由がほぼない)カードがある。
それは0マナのMana Crypt、Lotus Petal、Mox Diamond、Chrome Mox。一応Jeweled Muletもアリだろう。
そして1マナのSol Ring、Mana Vaultだ。
これらは異常なマナ加速なため、とりあえず適当に入れてもいいと思っている。
特にCryptに関しては入れないデッキのほうが少ない。ロッドや石のような静寂とすら共存する。
ではそれ以外の加速について書いていこう。
まず、1マナ以下のアーティファクトでは《オパールのモックス/Mox Opal》くらいしかない。
そして肝心なのが2マナの加速だ。無色マナしか出なくても
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《精神石/Mind Stone》
《思考の器/Thought Vessel》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
あたりは優秀なため採用しよう。
次に色マナの出る2マナファクトだと
《友なる石/Fellwar Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
が汎用的だろう。
ここからは色によるが、単色なら《空色のダイアモンド/Sky Diamond》のようなダイアモンドサイクル。
2色以上ならミラディンのタリスマンサイクルやラヴニカの印鑑サイクルを入れない理由がないだろう。
これらは簡単に色マナを増やせる優秀なカードたちだ。
また、アーティファクトではないが青い茶系デッキならCopy Artifactも入れよう。
3マナの《彫り込み鋼/Sculpting Steel》、《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》と
ほぼ同等の仕事をするのに2マナと断然お得だ。色マナ要求がたまにキズかも?
3マナになると
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》
《統率者の宝球/Commander’s Sphere》
あたりで色マナを増やすことを目的としたり、
《彫り込み鋼/Sculpting Steel》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》(4マナだが実質3マナのようものだ)
で《金粉の水蓮/Gilded Lotus》や《太陽の指輪/Sol Ring》をコピーすることになる。
また、あまり積極的な採用をしたくないがマナ量を増やすだけなら
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
といった無色しか出ないマナファクトもある。
4マナにはまともな色マナを供給するアーティファクトがない。
このマナ域で選択肢になるのは
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《面晶体の記録庫/Hedron Archive》
《シッセイの指輪/Sisay’s Ring》(記録庫、Sol Ringの下位互換)
あたりだろう。対戦中に永遠溢れを4マナでプレイする機会もそこそこあるだろう。
特筆すべきことはスランダイナモがアンタップインで3マナも出ることの強さだろう。
このカードを置いてすぐに彫り込み鋼をプレイすることができ、
ジャンプアップをすることも多い、ということだ。
そして5マナ。ここで取り扱うのは
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
のただ1枚だ。しかし、このカードは単体で有色3マナを生み出す、最高クラスのものだ。
茶系の色マナ不足を解消する上で最も助かるものであり、
Copy Artifact、彫り込み鋼、変形者でコピーしたいものナンバーワンだ。
しかもこれら3枚はロータスをプレイ後即プレイすることができ、
ロータスをコピーできたなら大きな優位に立てる。
構築するときに使うマナファクトはこれくらいだろう。
基本的にはここで挙げたものの大半をデッキに入れることになると思う。
酔うことなくこれらを並べ続け、7ドローに繋げたりすることが茶系デッキの基本だ。
そのためになるべくアンタップインでき、色マナを出すカードで次のアクションを確保しよう。
最後に一時的な加速をするカードだ。
これらは採用しづらいことも多く、デッキを選ぶということをはじめに覚えておいて欲しい。
放浪者のように1tでも早くジェネラルを出すことを目的とした構成だったり、
《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》のようなタップ能力のためにも早く出したい時に重宝するカードたちだろう。
また、《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》のようなチェインコンボジェネラルにおいては
他の加速よりも重要であることもある。
一時的なマナ加速カードは基本的に赤と黒のものだ。
《炎の儀式/Rite of Flame》
《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
《発熱の儀式/Pyretic Ritual》
《戦いの賛歌/Battle Hymn》
《煮えたぎる歌/Seething Song》
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《弱者選別/Culling the Weak》
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
よく使われるのはこのあたりだろうか。
ディスアドバンテージを負うものではあるが、ジェネラルというゴールだったり、
7ドローというアドバンテージ回復だったりを目指すことのできるEDHにおいては
60枚構築ほどの深刻な問題ではない。
むしろスペルであることが大きな優位点であることもある。
それは《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》や《炎の中の過去/Past in Flames》、
または《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》などのカードと組み合わせた時にもっとも輝く。
これらは基本的にチェインコンボ系のデッキで使われる組み合わせだ。
しかしそれらを踏まえても、あくまで一時的なものであり、カードの種類としても
上に挙げた程度の枚数しかない。
そのため、ランパン同様マナクリや茶系と組み合わせて使っていくのが基本だ。
マナ加速から重めのマナファクトを出す動きなどは相応に強いため、状況次第では
そういった動きをすることももちろんあるだろう。
ここまででデッキを構成する要素の大半を説明したと思う。
これらを組み合わせ、自分なりのデッキを構成して言って欲しい。
特に〆の言葉もないので今回はこのあたりで終わらせてもらう。
とても長い文章だったが、お付き合いいただきありがとう。
その1では色やジェネラルの選定、勝ち筋の種類について書かせてもらった。
今回はその続きからということで、勝ち筋を決めたところから説明していこう。
ジェネラルと勝つためのパーツが決まったなら次はその実現のための過程を考えよう。
具体的にはサーチやドローの枚数、質だ。
EDHには多数のドロー・サーチがある。
ドロー枚数やサーチするカードのカード・タイプもそれぞれに違いがある。
色によってサーチできるカード・タイプは概ね決まっている。
具体的に挙げていくと
白ならアーティファクト(特に装備品)とエンチャント。
青ならソーサリー、インスタント、アーティファクト。
黒は……特殊ですべてを探すことができる。
赤にはサーチが少なく、もっとも使われる《ギャンブル/Gamble》を考えると全てとも言える。
緑はクリーチャー、土地。
サーチカードの数・種類に関しては個人的な感覚ではあるが、
黒>緑>青>白>赤 の順であると思っている。
緑は《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》や《自然の秩序/Natural Order》のような
直接場に出るような強いサーチ含め、生物をサーチするカードが多く存在し、
また《輪作/Crop Rotation》や《森の占術/Sylvan Scrying》で強力な土地もサーチできる。
次いで黒は重いデモチュー亜種が存在するため種類としては多く、また軽いチューターも強力、
青はアーティファクトサーチが多くある、
白は装備品に関してはサーチするカードが多い。
赤にはすでに書いた通りギャンブル程度しかなく、使い勝手が悪いだろう。
またドローについては、
青>>緑>>黒>赤>>>>>白 くらいの印象だ。
青は純粋にドローが多く、緑は《集団潜在意識/Collective Unconscious》系の
生物の枚数を参照するカードが多い。
黒はライフペイで相応の枚数を引き、赤は最近多い追放しての擬似ドロー。
白はキャントリップ以外にはないほどにドローに恵まれていない。
また無色でも《頭蓋骨絞め/Skullclamp》や《系図の石版/Slate of Ancestry》のようにドローはある。
これらの特徴を踏まえて、自分の選んだ勝ち筋を辿るために必要な物を考えていく。
ひとつ言えることは、ドローもサーチもやはり軽いほうがいい。当然のことだ。
そして、全員7枚になるように引いたり、サーチしてもデッキの上に置くだけだったりすることも
多々あるだろう。場合にもよるが、基本的にそういった多少のアドバンテージの差は
それほど気にしないでいいことが大半だ。
撃つタイミングや戦況に気をつけることのほうが重要だろう。
また、以前あまり触れなかった役割ごとのカード枚数配分だが、
勝ち筋に関わるカードを7枚程度にし、それを探すためのサーチを採用するのが望ましいと思っている。
後述するマナソースに50~60、妨害が10~15、勝ち筋に7前後、サーチとドローで15、残りを自由に割り振ったり、ユーティリティカードで埋めるようにしている。
僕がデッキを組むときはだいたいこのくらいの配分だ。
サーチなどが決まったら次に妨害の枚数を考える。
妨害の枚数を考えるにあたって、おおまかなキルターンを設定するといい。
キルターンが早ければ、コンボなどを通すための役割もあるカウンターなどがメインになり、
キルターンが遅ければ、勝つまでの時間稼ぎだったり妨害への妨害などがデッキに入りうる。
また、妨害にも当然様々な種類がある。
アーティファクトなどを割るもの、クリーチャーを破壊するものといった盤面に影響をおよぼすもの。
墓掘りの檻や締め付けのように広範囲に相手の行動を縛るもの。
お馴染みのカウンター。
同じ妨害というくくりでもいくつもあり、それらからデッキに必要なものを選定する。
また、当然ではあるがEDHでは3人の対戦相手がいる。
よって、盤面を触るだけでもなるべく大きく影響をあたえるカードを入れることをオススメする。
具体例を挙げるならば
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
《無のロッド/Null Rod》
《石のような静寂/Stony Silence》
《終末/Terminus》
《サイクロンの裂け目/Cyclonic Rift》
《毒の濁流/Toxic Deluge》
《死の雲/Death Cloud》
《紅蓮地獄/Pyroclasm》
《血染めの月/Blood Moon》
《汚損破/Vandalblast》
《燎原の火/Wildfire》
《壊滅/Devastation》
《無垢への回帰/Seeds of Innocence》
《進歩の災い/Bane of Progress》
こういった全体へ影響をおよぼすカードは優秀であるといえよう。
当然、自分への影響もあるため、自分に無害ないし被害の少ないものを選ぶことになるだろう。
緑のマナクリーチャー、ランパンデッキへの濁流や壊滅だったり、
青茶系のマナファクトデッキへのロッド、無垢などで相手のマナベースを止めることはとても多い。
結局EDHもマジックである以上、行動にマナは必要なため当然のことだ。
そして最後に、これまでのカード選択を見ながらマナベースを構成する。
この場合のマナベースとは土地のことだけではなくマナソース全体を指している。
例えばマナクリ、例えばマナファクト。もしくはランパンなどのサーチもマナソース扱いだ。
デッキ全体の重さ、要求するマナシンボルなどから必要な物を選択していく。
ここでも具体例を挙げながらマナソースを紹介していこう。
まず、土地。ほとんどのデッキで必要不可欠なものだ。
基本的にはアンタップインで複数の必要なマナを出せるランドを中心に組んでいく。
残念ながら単色デッキの色マナ部分に関してはあまり言うことがない。
どうしても基本土地が多くなってしまうからだ。
多色だとデッキの色に合ったデュアルランドやギルドランドは概ね入れ得だ。
そして、それをサーチするフェッチランドも入れたほうがいいだろう。
ただ、フェッチは常に最大枚数入るわけではない、ということも留意しておくといいだろう。
ほぼデメリットなく色マナを出せるダメージランドも入れたほうがいいだろう。
友好色に限られるが、無色マナを色マナに変換可能なオデッセイのフィルターランドも優秀だ。
フィルターといえばシャドウムーアなどのハイブリッドランドがある。
こちらは単体でも無色マナが出るが、色マナが増えるわけでもないためそれほど強くはない。
しかし、選択肢の多くない対抗2色ジェネラルなら入れざるを得ないこともある。
土地をあまり多く置かない茶系デッキならミラディンの傷跡のSOMランドを検討してもいい。
普通の色マナ確保としては基本的に上の各種土地を入れていくことになる。
また、2色以上のデッキを組む上で是非覚えておいてもらいたいものがある。
それは5色ランドのことだ。マジックにはたくさんの5色土地があり、その中でも優秀なものが
《統率の塔/Command Tower》
《真鍮の都/City of Brass》
《マナの合流点/Mana Confluence》
《禁忌の果樹園/Forbidden Orchard》
《色あせた城塞/Tarnished Citadel》
《宝石の洞窟/Gemstone Caverns》
この6種類だ。多色デッキを組むときはいいお供になってくれるだろう。
上3つ以外は多少癖があるが、デメリット以上に色マナが出るアンタップインランドということが
重要になることが多いのがEDHというゲームだ。
そして、色マナ確保以外の土地にも様々なものがある。
大抵のデッキに入れても邪魔にならない《古えの墳墓/Ancient Tomb》と
《裏切り者の都/City of Traitors》といった2マナランド。
緑の特権たる《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》。
シンボルの濃いデッキにおいてクレイドルと同等やそれ以上に活躍する《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》。
茶系の特権Mishra’s Workshop。
アーティファクトの再利用を可能にする《アカデミーの廃墟/Academy Ruins》、《埋没した廃墟/Buried Ruin》。
速攻を欲しい時に便利な《山賊の頭の間/Hall of the Bandit Lord(CHK)》。
墓地が溜まるクリーチャーデッキでの《アガディームの墓所/Crypt of Agadeem(ZEN)》。
このあたりはデッキの特徴によっても採用が変わるだろう。
これらを組み合わせ、24~29枚程度の土地を構成する。
次に土地以外、すなわちマナ加速を担うカードたちだ。
マナ加速には大きく分けて、マナクリ(ランパン)、茶系、一時的加速の3種がある。
まずは緑の専売特許、マナクリとランパンについてだ。
1マナから始まるマナクリーチャーは恒久的なマナ加速としては序盤からばら撒けるのが強みだ。
また、マナクリーチャーを並べることは即ちクレイドルのマナ量増加にも繋がる。
しかし、濁流や終末で一掃される弱点も持っている。
採用に足るレベルなのは、1マナのマナクリーチャーの全般。
2マナからは既に基準が厳しくなりクレイドルを起こせる《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》、
フェッチと合わせてジャンプアップ可能な《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》、
相手のエルフをもカウントする《ティタニアの僧侶/Priest of Titania》程度になる。
デリーヴィーなどの3色ジェネラルなら《花を手入れする者/Bloom Tender》も優秀な加速だ。
3マナともなるとジェネラルが重いデッキでの《ソンバーワルドの賢者/Somberwald Sage》や
《失われた業の巫師/Shaman of Forgotten Ways》くらいだろう。
次に土地でのマナ加速、いわゆるランパンだ。
ランパン系は壊滅くらいでしか消し飛ばず、濁流などに巻き込まれずロッドで止まらないのがいいところだ。
しかし、数あるランパン亜種の中で採用できるカードは限られており、メインの加速にするには
少々心細く、概ねマナクリと複合して使用することになるだろう。
では、デッキに入れられるレベルの加速とは?
それはアンタップインで加速をする《自然の知識/Nature’s Lore》、《三顧の礼/Three Visits》、
《ウッド・エルフ/Wood Elves》、《スカイシュラウドの要求/Skyshroud Claim》あたりだ。
少し変わったところでは《スカイシュラウドのレインジャー/Skyshroud Ranger》や
《桜族の斥候/Sakura-Tribe Scout》も候補にしていいだろう。
上に挙げたカードたちは探すのが森なのでデュアランなども探せる。
しかし《不屈の自然/Rampant Growth》などではタップインな上に、基本土地しか探すことが出来ない。
基本土地というものはそれほど多くの枚数をデッキに入れられるものでもないため、
優先順位としては《自然の知識/Nature’s Lore》などが上になっている。
また、輪作などで持ってくるニクソスとクレイドル、《さびれた寺院/Deserted Temple》も
ある意味ではマナ加速としてカウントしてもいいかもしれない。
次に茶系の加速だ。つまり、アーティファクトを並べることだ。
この加速は召喚酔いに影響されないため次々に並べていけるところが強い。
また土地やクリーチャーを破壊するスペルに影響されることなく、共存可能だ。
しかし逆にアーティファクトを破壊、無力化する方法は多いのが弱点だ。
また、無色マナばかり出て色マナが足りない事故も起こし得る。
ではマナ域順に見ていこう。列挙されているカードは基本的に
上であるほど、左であるほど優先順位が高いと思ってもらって構わない。
まず、ほとんどのデッキに入れる(入れない理由がほぼない)カードがある。
それは0マナのMana Crypt、Lotus Petal、Mox Diamond、Chrome Mox。一応Jeweled Muletもアリだろう。
そして1マナのSol Ring、Mana Vaultだ。
これらは異常なマナ加速なため、とりあえず適当に入れてもいいと思っている。
特にCryptに関しては入れないデッキのほうが少ない。ロッドや石のような静寂とすら共存する。
ではそれ以外の加速について書いていこう。
まず、1マナ以下のアーティファクトでは《オパールのモックス/Mox Opal》くらいしかない。
そして肝心なのが2マナの加速だ。無色マナしか出なくても
《厳かなモノリス/Grim Monolith》
《永遠溢れの杯/Everflowing Chalice》
《精神石/Mind Stone》
《思考の器/Thought Vessel》
《砕けたパワーストーン/Fractured Powerstone》
あたりは優秀なため採用しよう。
次に色マナの出る2マナファクトだと
《友なる石/Fellwar Stone》
《虹色のレンズ/Prismatic Lens》
《冷鉄の心臓/Coldsteel Heart》
が汎用的だろう。
ここからは色によるが、単色なら《空色のダイアモンド/Sky Diamond》のようなダイアモンドサイクル。
2色以上ならミラディンのタリスマンサイクルやラヴニカの印鑑サイクルを入れない理由がないだろう。
これらは簡単に色マナを増やせる優秀なカードたちだ。
また、アーティファクトではないが青い茶系デッキならCopy Artifactも入れよう。
3マナの《彫り込み鋼/Sculpting Steel》、《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》と
ほぼ同等の仕事をするのに2マナと断然お得だ。色マナ要求がたまにキズかも?
3マナになると
《連合の秘宝/Coalition Relic》
《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》
《統率者の宝球/Commander’s Sphere》
あたりで色マナを増やすことを目的としたり、
《彫り込み鋼/Sculpting Steel》
《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》(4マナだが実質3マナのようものだ)
で《金粉の水蓮/Gilded Lotus》や《太陽の指輪/Sol Ring》をコピーすることになる。
また、あまり積極的な採用をしたくないがマナ量を増やすだけなら
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》
《摩滅したパワーストーン/Worn Powerstone》
といった無色しか出ないマナファクトもある。
4マナにはまともな色マナを供給するアーティファクトがない。
このマナ域で選択肢になるのは
《スランの発電機/Thran Dynamo》
《面晶体の記録庫/Hedron Archive》
《シッセイの指輪/Sisay’s Ring》(記録庫、Sol Ringの下位互換)
あたりだろう。対戦中に永遠溢れを4マナでプレイする機会もそこそこあるだろう。
特筆すべきことはスランダイナモがアンタップインで3マナも出ることの強さだろう。
このカードを置いてすぐに彫り込み鋼をプレイすることができ、
ジャンプアップをすることも多い、ということだ。
そして5マナ。ここで取り扱うのは
《金粉の水蓮/Gilded Lotus》
のただ1枚だ。しかし、このカードは単体で有色3マナを生み出す、最高クラスのものだ。
茶系の色マナ不足を解消する上で最も助かるものであり、
Copy Artifact、彫り込み鋼、変形者でコピーしたいものナンバーワンだ。
しかもこれら3枚はロータスをプレイ後即プレイすることができ、
ロータスをコピーできたなら大きな優位に立てる。
構築するときに使うマナファクトはこれくらいだろう。
基本的にはここで挙げたものの大半をデッキに入れることになると思う。
酔うことなくこれらを並べ続け、7ドローに繋げたりすることが茶系デッキの基本だ。
そのためになるべくアンタップインでき、色マナを出すカードで次のアクションを確保しよう。
最後に一時的な加速をするカードだ。
これらは採用しづらいことも多く、デッキを選ぶということをはじめに覚えておいて欲しい。
放浪者のように1tでも早くジェネラルを出すことを目的とした構成だったり、
《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》のようなタップ能力のためにも早く出したい時に重宝するカードたちだろう。
また、《略奪の母、汁婆/Wort, the Raidmother》のようなチェインコンボジェネラルにおいては
他の加速よりも重要であることもある。
一時的なマナ加速カードは基本的に赤と黒のものだ。
《炎の儀式/Rite of Flame》
《捨て身の儀式/Desperate Ritual》
《発熱の儀式/Pyretic Ritual》
《戦いの賛歌/Battle Hymn》
《煮えたぎる歌/Seething Song》
《背信のオーガ/Treasonous Ogre》
《暗黒の儀式/Dark Ritual》
《弱者選別/Culling the Weak》
《陰謀団の儀式/Cabal Ritual》
よく使われるのはこのあたりだろうか。
ディスアドバンテージを負うものではあるが、ジェネラルというゴールだったり、
7ドローというアドバンテージ回復だったりを目指すことのできるEDHにおいては
60枚構築ほどの深刻な問題ではない。
むしろスペルであることが大きな優位点であることもある。
それは《ヨーグモスの意志/Yawgmoth’s Will》や《炎の中の過去/Past in Flames》、
または《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》などのカードと組み合わせた時にもっとも輝く。
これらは基本的にチェインコンボ系のデッキで使われる組み合わせだ。
しかしそれらを踏まえても、あくまで一時的なものであり、カードの種類としても
上に挙げた程度の枚数しかない。
そのため、ランパン同様マナクリや茶系と組み合わせて使っていくのが基本だ。
マナ加速から重めのマナファクトを出す動きなどは相応に強いため、状況次第では
そういった動きをすることももちろんあるだろう。
ここまででデッキを構成する要素の大半を説明したと思う。
これらを組み合わせ、自分なりのデッキを構成して言って欲しい。
特に〆の言葉もないので今回はこのあたりで終わらせてもらう。
とても長い文章だったが、お付き合いいただきありがとう。
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