第七回EDHカード紹介: 《加工/Fabricate(MRD)》
第七回のテーマは《ソーサリー・インスタント》。
これまでカード・タイプをテーマとしてきたわけだが、
インスタントとソーサリーを別にすると少し冗長かな、ということで統合された。

インスタント・ソーサリーといえばクリーチャーに比べても強力なものも多く、
構築フォーマットでデッキの大半を埋めることも少なくはないだろう。
そしてヴィンテージレベルのカードプールを持ち、レガシーですら禁止されるような
強力無比なスペルも扱えるEDHにおいてはなお顕著だ。

EDH筆頭の強力なサーチである各種チューター(特に青と黒)もそうだろう。
特にDemonic Tutorなどの黒チューターは異常とも言える強さだ。それだけで色の強みになり得る。
他にもドローや妨害、コンボ。すべてに関わってくるのがこのカード・タイプだ。

前置きはこれくらいにして、今回もカードを紹介しよう。
今回取り扱うのは《加工/Fabricate》だ。



Fabricate / 加工 (2)(青)
ソーサリー
あなたのライブラリーからアーティファクト・カードを1枚探し、それを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。



このありふれたサーチカード、どう使っていくのか?
サーチなだけあってたくさんの役割を持っている。順に見ていこう。



まずひとつめ。おそらくもっともよく探すであろうサーチ先は
やはり高効率マナ加速アーティファクトだろう。
具体的にはMana Cryptと《太陽の指輪/Sol Ring(2ED)》だ。

この2種類のアーティファクトの加速度は圧倒的で、序盤数ターンの間に
場に置くことができるだけで他のプレイヤーよりも優位に立てるほどだ。
いわゆる青茶系のデッキが序盤からスムーズに動く上で大きな助けになるだろう。

マナファクトばらまき→7ドローという青茶系の定番ムーブにも繋げやすい。


また青茶といえば各種印鑑や《金粉の水蓮/Gilded Lotus》、《オパールのモックス/Mox Opal》
といった色マナカウントを増やすカードがないと無色マナに溢れていて、
満足に有色スペルを唱えられず動きにくい事故を起こすことも少なくはない。
しかし上記のカードも当然サーチ可能なものだ。

特に、場にすでに《金粉の水蓮/Gilded Lotus》があるときに
《彫り込み鋼/Sculpting Steel》、《ファイレクシアの変形者/Phyrexian Metamorph》で
コピーすることはとても強い動きで、探すことも多いだろう。



ではふたつめ。コンボパーツにアーティファクトを使うことも多いだろう。
つまり、《加工/Fabricate》ならそれもサーチすることができるということだ。

例えをあげていくなら

《変身/Polymorph》デッキにおける《変幻の杖/Proteus Staff》
緑系デッキで無限に使われる《雲石の工芸品/Cloudstone Curio》
《玄武岩のモノリス/Basalt Monolith》+《ブライトハースの指輪/Rings of Brighthearth》
《浄火の戦術家、デリーヴィー/Derevi, Empyrial Tactician》の《出産の殻/Birthing Pod》

いくつかあげたがまだ他にもあるだろう。
このようにコンボパーツとしてアーティファクトを用いることは多い。
マナ加速が十分であったり他のパーツが揃っているときは
こういったものをサーチして勝つ、ということも考えられる。


特にこれといった何かを言えるほどではない使いみちだが、
このカードの使いみちとしては比較的多く、強いものだろう。



次にみっつめ。妨害をできるアーティファクトというのもこの世にはたくさんある。


《三なる宝球/Trinisphere》
《アメジストのとげ/Thorn of Amethyst》
《抵抗の宝球/Sphere of Resistance》
《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
《倦怠の宝珠/Torpor Orb》
《無のロッド/Null Rod》


どのカードもすべてのプレイヤーを大きく縛ることができる。
具体的には
序盤の三玉やコスト増加カードは当然のことながら
リアニ・変身デッキへの《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》
緑系デッキ大半への《呪われたトーテム像/Cursed Totem》
CiP持ちジェネラルを持つ相手への《倦怠の宝珠/Torpor Orb》
茶系への《無のロッド/Null Rod》

どれも1枚で致命的になり得る強力な妨害となるであろう。

ちなみにどれもMishra’s Workshop1枚からひねり出せる軽量カードだ。

卓のジェネラル次第ではこれらをサーチして睨みを利かせることも少なくはなく、
常に思考の端に置いておくことをオススメする。



また余談ではあるが、EDHにおいて変身・リアニ(生き埋め再活性やゴージャー、ハーミット)
という勝ち筋はむかつきの次点くらいには強いものだと思っているため、
自分に害がないのであればできる限り《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》を入れるべきだと考えている。
ついでに《自然の秩序/Natural Order》、(《歯と爪/Tooth and Nail》はダメでした。普段誰も使ってないから忘れてたってことで許して)、《出産の殻/Birthing Pod》
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》といった緑の強力な生物サーチ、
赤黒系の《ドラゴンの嵐/Dragonstorm》コンボも阻害できる。
たった1マナのアーティファクトとしては非常に心強いだろう。是非、採用して欲しい。



話は逸れたが最後によっつめ。いわゆる「その他」だ。
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》のように汎用性の高いカードだったり
《記憶の壺/Memory Jar》のようなドロースペル、
またはマナファクトばらまきのあとの《巻き戻しの時計/Unwinding Clock》のような
自分がテンポや盤面での優位を取りやすくなるようなカードなど、
上に挙げたアーティファクト以外にもたくさんの選択肢がある。

それぞれ状況に応じたサーチをすることできっと、勝率の向上に繋がるだろう。


今回もそこそこ長くなったが、参考にしていただけただろうか?
カード・タイプごとの紹介はこれで終わりだが、これからも他のテーマで
カードの紹介は続けていこうと思っている。
期待してもらえるよう努力していくので、第八回以降もお付き合いいただきたい。



紹介記事とは無関係だが、以前に書いたEDH構築方法の続き。
7割ほど書けているが、GP後まで公開はできないと思うのでもうちょっと待ってくださいな。
GPまではサイドイベント用のEDHとか本戦のスタンとか色々してそうなので……

コメント

nophoto
通りすがり
2015年11月16日0:40

通りすがりで申し訳ありません。
墓掘りの檻で歯と爪は妨害できないと思います。

大石智晴
2015年11月16日0:41

そういえばたしかに。ありがとうございます

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