第五回EDHカード紹介: 《The Tabernacle at Pendrell Vale》
The Tabernacle at Pendrell Vale
今回もEDHで使えるすこし変わったカードを紹介しよう。
さっそくだが今回のテーマは「土地」だ。
マジックをする上で避けられない要素である「土地」。

まず、基本的にたいていの土地は大きな影響力を持たない。
便利な起動型能力がついているだとか、色マナが多く出る
といったアクセント程度のものが多いだろう。
しかし一部の土地はその存在が勝負の流れを大きく変えるほどの力を持つ。
例えばそれはMishra’s Workshopや《古えの墳墓/Ancient Tomb》、
《裏切り者の都/City of Traitors》、デッキを多少選ぶが
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》
といった出るマナ量が異常なカードがもっともわかりやすいだろう。

だがここで取り扱うのはそういったたくさんマナの出る土地ではない。
というか、そもそもそのままではマナが出ない。


では今回紹介するカードの名前を挙げよう。(画像もあるから、今さらではある)
The Tabernacle at Pendrell Vale、いわゆる「名前の長い土地」だ。




The Tabernacle at Pendrell Vale
伝説の土地
すべてのクリーチャーは「あなたのアップキープの開始時に、あなたが(1)を支払わないかぎり、このクリーチャーを破壊する。」を持つ。




マナ能力すら持たないこの土地にただひとつできること。
それはすべてのクリーチャーに「アップキープの維持コストを持たせる」ことだ。
テキストを見た通り、マナクリーチャーを擁する緑系のデッキだったり、
《群衆の親分、クレンコ/Krenko, Mob Boss》のように横に並べるデッキ相手には
このカード1枚でかなり役割を破壊することができるだろう。
マナクリーチャーは自身の維持のためにマナを使い無意味になり、
そもそも大量の生物は維持できることがそうそうない。


MTG wikiによると破壊ではなく生け贄だった時期もあるらしい。
そのほうがだいぶ強かったのではなかろうか、オラクルが更新されたことが残念でならない。
破壊不能にすら触ることができれば少しは違ったろう。


このカードの強みを紹介していこう。
それは土地であること。
なんとも単純ではあるが、僕としてはそこが一番強いのだと思っている。

妨害能力を持つものが土地やアーティファクトであると、当然ではあるが
各種除去などで壊されることが多いだろう。

そしてエンチャント、こちらは上のふたつに比べると比較的触られづらいが
緑のデッキに頻繁に入っている
《進歩の災い/Bane of Progress》や《再利用の賢者/Reclamation Sage》
といった置物全般に触れるカードで壊されうるし、これらはこの土地の
妨害しようとするデッキに入ってることが多い。

また色のついている生物やエンチャントは最近出た
《精霊龍、ウギン/Ugin, the Spirit Dragon》というリセットに巻き込まれてしまう。

土地はそのものを破壊する方法は少ない、もしくは弱いカードが多く
気にするほどではないことが多い。
《石の雨/Stone Rain》が飛んで来るわけでもなく、
《不毛の大地/Wasteland》や《露天鉱床/Strip Mine》は撃つ側も苦しいことが多い。
《燎原の火/Wildfire》系や《破滅/Ruination》はまあ、辛さを感じていこう。


また土地である以上、相手はカウンターができない。
セットランドの権利を消費はするが、ただ置くだけで機能し
影響範囲が全体に及ぶカードのためなら惜しくない。


強みがあれば当然弱いところもある。


1つ目は単体ではマナが出ないこと。
《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth》や
《彩色の灯籠/Chromatic Lantern》でサポートしないと無色マナすら出ない。
なのでこのカードを入れてデッキを構築するときは土地としてではなく
スペルとしてカウントするべきだ。実質土地が1枚弱減るから期待通りのマナにならないだろう。

またアーボーグはどの色のデッキでも入れられるから、Maze of Ithなども使う場合は
黒くないデッキでも入れてみるのをおすすめする。もちろん、無色マナしか出ないが。


つぎに、サーチのしづらさだ。エンチャントと同じくらいには見つけづらいのではないだろうか。
生物なら緑限定の《召喚士の契約/Summoner’s Pact》だったり《自然の秩序/Natural Order》、
《緑の太陽の頂点/Green Sun’s Zenith》。
色を問わない《召喚の調べ/Chord of Calling》や《俗世の教示者/Worldly Tutor》。
ざっと挙げるだけでも結構思い浮かぶし、デッキに入れている人も多いだろう。

しかし土地のサーチ。《森の占術/Sylvan Scrying》と《輪作/Crop Rotation》、
それに《探検の地図/Expedition Map》。これくらいしかまともなカードが思い浮かばない。
さらに前者2種は緑だ。色の性質上、タバナクルの被害を受けることの多いカラーであり、
デッキ構築を縛られたりそもそもタバナクルを入れようともできないことだって多いだろう。

このカードを入れられる緑のデッキは《龍王アタルカ/Dragonlord Atarka》や
《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》、
《歩く墓場、髑髏茨/Skullbriar, the Walking Grave》に代表される
緑Xの「無にする」系のデッキになるだろう。
《輪作/Crop Rotation》もいつものクレイドルではなくWorkshopなどを探すことになる。

回りくどい道ではあるが、《探検の地図/Expedition Map》がアーティファクトであることで、
《粗石の魔道士/Trinket Mage》などを経由することでタバナクルにたどり着くことは可能だ。

また、《地図》はアーティファクトである故に、どの色のデッキにも入ることは強みにもなる。
Tabernacle以外にもWorkshopやMaze of Ithなどを探すこともあるだろう。



そして最後に。これがおそらく、一番の弱点だろう。
それは…………高い。非常に、高い。こんな汎用性のないカードなのに、異常なほど高い。
最近は見るたびに値段の上がるこのカード、なんと今は最安値でも6万円、
平均値になると10万円となる。レガシーなどでも土地単くらいにしか使われないのに……
レジェンドのカードはこういうことがあるのが困りどころだ。

あと、このカードを使おうとすると概ね入れることになる
Mishra’s Workshopも大概な値段だ。なので是非ともコンビニにでも走って50円で作ろう。


今回の《名前の長い土地》の紹介はここまでだ。
最近よく組んでしまう「無にする」デッキなどで使って、紹介しようと考えていたカードが
こうして記事とできたことを嬉しく思っている。
ではまた、次のカード紹介でお会いしよう

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